⑺精神科⁉︎
このままではいけない。
いつまでも発作に怯えていてはいけない。
そうは思うのだが、どうしたらいいのかわからない。
医師に相談するしかないな、と私は思った。
救急車に同乗してくれた医師の病院に行ってみることにした。
家からはほんの数百メートルの距離なのだが、その時の私にとっては大冒険だった。
一歩進んでは立ち止まり、一歩進んでは立ち止まりの繰り返しで、私はようやく病院に着いた。
果てしない道のりを歩いたような気がした。
医師に事情を話した。
医師は私の話を丁寧に聞いてくれて、こう言った。
「私の友人に精神科の医師がいます。その人に相談してみますか?」
医師は我が家の事情を薄々察していたらしい。
そして、私が相談に訪れることも予想していたようだった。
縁はないと思っていた精神科という分野。
しかし、生きるためには前進するしかない。
私は以来長い付き合いになる、古賀総合病院の精神科医長に宛てた紹介状を握りしめて帰宅した。
当時、古賀総合病院の精神科は宮崎駅のそばにあった。内科や外科など他の診療分野や入院患者は、新築された池内の病院に移りつつあった。